ヤギは目が回るらしい

ヤギの眼球は光軸周りに回転するという噂を聞きました． 瞳孔が横長なので，光軸周りに回転させることで見え方を変えられるのかもしれません． 面白そうなので，実際のところどうなのかヤギを観察しに行きました．

たしかにヤギの眼は回るらしい

これはヤギが顔をあげるところを横から連写で撮った写真です．

最初と最後の写真を眼を中心にして重ねたのが下の画像です．

頭部が回転しているにもかかわらず，瞳孔は地面に対して横向きを保っていることがわかります． ヤギの眼球は頭部に対して光軸周りの回転ができるようです．

ヤギの眼は常に横向きというわけではないらしい

光軸周りの回転ができるからといって，必ずしも「ヤギの瞳孔は地面に対して常に横向き」とは限りません．

しばらく観察していると下に示すように明らかに地面に対して横向きでない状態になりました． 瞳孔は地面に対して前が上，後ろが下になる向きに傾いています． 頭の向きは正面に近い向きで，やや前が上，後ろが下になる向きに傾いています． もし，瞳孔の向きを地面に対して一定に保とうとするなら， 頭の地面に対する回転と瞳孔の頭に対する回転は逆方向にして互いの回転を打ち消さなければなりません． どうやら，ヤギは瞳孔を地面に対して常に横向きに保とうとしているわけではないようです．

おまけ

瞳孔の形を確認できる写真を撮るためには，瞳への映り込みに対処しなければなりません． 今回使用したヤギの写真は，太陽が雲に隠れて光が柔らかくなったときに撮影しました． 動物によっては木陰にいることが多いなど，映り込みの少ない条件での撮影が難しいことがあります． 以下に瞳への映り込みで瞳孔の形状がはっきりしないハリスホークとレッサーパンダを示します．

黒ずくめの服装をした自分が光を遮るとか，PL フィルタを用いるといった工夫の余地がまだあるので， もうしばらくめげずに瞳孔の観察を続けるつもりです． 面白い結果が得られたらまた更新します． お楽しみに．